地域の犯罪抑止、治安維持などを目的として今年6月、南区(若松)の若沼自治会(尾見嘉正会長)に防犯カメラが1台設置された。飲料メーカーのダイドードリンコ株式会社(大和オフィス=南区相武台=)が、同社の自動販売機を新設し、あわせて防犯カメラを提供した。県内ではすでに3月に川崎市で同様の事例があり、同自治会で2ヵ所目。県央エリアでは初の取組みとなる。
防犯カメラが設置されたのは、若沼自治会館(若松)の入り口付近=写真。入口から歩道一帯を監視できるようになっている。カメラの設置費用や電気代はダイドーが自動販売機の売り上げで賄っていく仕組み。カメラのレコーダーの管理は同自治会に任されているものの、警察からの要請がなければ解除できない仕組みで、プライバシーも配慮されている。
「一定の効果を実感」
同自治会では、以前より地域内で起こるいたずらや物損、深夜の騒音などが問題となっていた。そこで、地域と同社が一体となって防犯カメラを設置したという川崎市宮前区での事例を知った同自治会が同社に接触。「ぜひ若沼自治会にも防犯カメラを」と働きかけ、ダイドーの地域貢献活動と両者の意向が合致した。カメラが設置された6月19日から8月末までで、尾見会長は「まだ大きな変化はないものの、いたずらも少なく比較的静かになったよう。抑止力になっているのでは」と一定の効果を感じているという。
地域力で後押し
川崎市、相模原市の事例を受け、同社ではすでに近隣エリアでの新たな設置検討が進んでいるという。一方、設置するにあたり、新設する自動販売機への周辺住民の理解など、地域との連携が不可欠とも。同社担当者は「尾見会長をはじめ地域の方が多方面に懸命に働きかけてくれた。改めて地域の力を感じました。防犯や抑止力の一助となり、この活動を広げていければ」と期待を寄せている。
2014/9/4付
タウンニュース神奈川県