ソニー、360度撮影可能な監視カメラ開発

ソニーは27日、1台で360度全方位の撮影が可能な監視カメラを開発したと発表した。死角なしで工場や店舗の全体を監視できるうえ、撮影後に気になる部分だけを大きく切り出して顔などを確認できる。マルハニチロホールディングスのグループ会社の農薬混入事件を受けて企業で内部統制への関心が高まると見て、工場や店舗などの監視需要を取り込む。

新製品は2月に発売する。価格は12万6000円。高品質の撮像素子とレンズを使い、解像度を従来機比で約3割引き上げた。周縁部でもくっきりした映像になる。あたかも複数のカメラで撮影したかのように、いくつかの重点場所に焦点をあてた映像を同時に表示できる。

鉄道やバスなど車両向けの監視カメラも開発し、2月に発売する。価格は7万3500円。振動でもぶれないようにしたほか、シャッタースピードが異なる2枚の画像を合成することで、逆光など光の条件が頻繁に変化する車両内でも顔などをはっきり撮影できるようにした。

2020年の東京五輪に向けて鉄道大手は車内の安全確保の取り組みを強化している。車両での監視カメラ需要の取り込みを目指す。

2014/1/27 19:10
日本経済新聞