防犯協会高津警察署 防犯カメラを無料貸出 ストーカーなど抑止期待

近年深刻化するストーカー被害などを未然に防ごうと、高津防犯協会(宮田良辰会長)は6月1日から、高津警察署(古宮忠男署長)を通じて防犯カメラとドアモニターの無料貸し出しを実施する。神奈川県警によると「警察が窓口となりカメラを貸し出すのはあまり事例がない」という。

カメラ3台とドアモニター1台を防犯協会が購入し、高津警察署が窓口となり無料で貸し出す。対象はストーカー、近所、男女間トラブルなど警察が被害を受ける恐れがあると認めた場合。期間は2週間、状況により延長も応じるという。

設置は署員が立ち会い、玄関、庭先など敷地内への侵入経路になる場所を想定。訪問者の顔が見える必要最小限の範囲で通行者などは写らないよう配慮する。

行動把握、証拠に

神奈川県警は、人身安全事態に対する的確な対処の強化を14年の重点目標に掲げている。高津署管内では、ストーカーやDV、幼児虐待など、命や身体に危険が及び対処が必要と判断された相談、事案件数は13年が146件(7月から12月)。14年は115件(1月から5月26日現在)あった。

高津警察署には昨年、事件に至っていないが「付きまとい」や「自宅への押しかけ」などの相談が複数寄せられていたという。「防犯カメラがあれば、相手への威嚇、行動時間の把握や立証などに役立てられる」と、防犯協会に相談し、今回の貸し出しが実現した。

同署生活安全課は「犯罪の前兆段階で芽を摘むことが重要。ノウハウを蓄積してカメラを効果的に使用していきたい」と話す。また、宮田会長は「防犯カメラは町会や商店会などに設置され、様々な犯罪抑制につながっていると思う。個人の安全にも役立ててもらえれば」と話す。

2014/5/30付
タウンニュース神奈川県