防犯カメラの人物 判定技術を開発

複数の防犯カメラに写った人が同じ人物かどうかを、歩く姿や顔の特徴から判定する技術を大阪大学の研究グループが開発しました。画像が鮮明ではない場合にも有効で、犯罪捜査に役立つと期待されています。

技術を開発したのは、大阪大学産業科学研究所の八木康史教授などのグループです。
防犯カメラに写った人の歩く姿を1枚の画像に重ね合わせ、歩幅や腕の動かしかたなどについて、ほかのカメラに写った人の画像と比較し、どれだけ一致するか数値化します。
さらに、▽頭の上と足の下を自動的に識別して、基準となるものの大きさから身長を割り出すほか、▽顔の輪郭や髪形についても比較して数値化します。
これにより、複数のカメラに写った人が同じ人物かどうかを客観的に評価できるということで、1000人分の動画から特定の人を捜し出す実験を行ったところ、▽歩く姿の画像だけを使った場合はおよそ90%の割合で正しく選ぶことができ、▽身長や顔の輪郭などを加えると、精度は99%に高まったということです。
この技術では、人の姿がおぼろげに分かる程度の鮮明度でも判定できるということです。
八木教授は「複数の防犯カメラに同じ人物が写っていないか調べることで、犯人が逃げた道筋を割り出すことができる。数年後の実用化を目指したい」と話しています。

1月15日 17時43分
NHK NEWSWEB